アートのレシピ

美学校「アートのレシピ」受講生によるブログです。
美学校webサイト http://www.bigakko.jp/

2012年7月28日土曜日

こんにちは!暑い日が続きますが、アートのレシピ、今回の授業はもっと激アツでした!

今回はワークショップ形式での授業。




「写真で美しいウソをつく。



----写真はあまりにも正直だから。」



という松蔭先生の印象的な一言から始まりました。


画用紙と、一眼とライト、それとほんの少しウソツキな気持ちで作業開始。

画用紙を切ったり、重ねたり、折り込んだり、、、

作成したモノは白黒で撮影します。

大事なのは構図アングル構成力

アングルでスケールをあいまいにすることでウソをつくのです。


そのためには、自分がアリやカエルになったつもりでモノを見てみることがキーポイントとなります。

多角的な視点を持つことが大事なんですね。



それで”へなちょこ”を”すんごい”ものにさせてしまうんです!

アートの醍醐味のひとつ、既成概念をとっぱらう、という部分がここにあるのかもしれません。

バウハウスの写真集にあったマッチ箱の「宇宙」

今回の授業ではそれを体験できたような気がしました。

次回も楽しみです!!




さて、本格的な夏に向けて、我々は素敵なプロジェクトを抱えております、、、!!

言いたくて仕方ないけれど、今は秘密。

乞ご期待!!


ではでは。


2012年7月18日水曜日

「具体」それぞれのレビュー 2012/7/14議事録

7月14日、炎天下の美学校はクーラーがないので、死ぬかもしれない。と三田村先生が即効で判断し、神保町白十字に移動して、国立新美術館の『「具体」ーニッポンの前衛18年の軌跡』を鑑賞した個々人のレビューの発表という授業でした。遅れて松蔭先生も加わり久しぶりの2名体制の授業となりました!

”気になった作家、作品、具体全体でもいいので 同時代のなにに影響を受けていたのかも調べてみてレビューを書いてきてください ”
という課題のもと 話し合われたかのように全く違う視点でのレビューが発表されました。


”琴線に触れる作品にであえず、生命力を感じない展示だった。”

”作品と作家が切り離されていて、身体性をとりいれた実存主義だと感じた。”

”吉原治良は前衛たることを目的としていたというよりは、その信条は超個人的体験に基づくものではないかと考えた。”

”田中敦子の作品から感じるこどものような衝動性に影響をうけた。”

”おしゃれじゃなく、自分勝手、 というイメージから おしゃれ極まりなく、荒さはあるが雑ではないというイメージに変わった。”

などなど3時間程話していたのでまとめきれませんが、皆が同じ時間同じ場所で見たはずの「具体」の印象がこんなにも違って、今この時代にあーだこーだと語り合っていることにはとても意味があると感じた時間でした。


最後に 松蔭先生により
”継承されている、つながっているから今がある。具体から継承されているところがある。なにを憂いて、なににもやもやして、なにをアクションにするのか”

三田村先生により
”美術という枠組みにあてはまるかどうか。美術により表現することで効果的ならそうすればいいし、そうでないなら別の方法にすればいい” 

という言葉がぐっときた、
 アートのレシピの授業でした。
来週はワークショップです!




2012年7月8日日曜日

2012/7/7議事録


7月7日はいつもの教場での講義ではなく、
三田村先生と国立新美術館にて、『「具体」ーニッポンの前衛18年の軌跡』を鑑賞しました。

具体はリーダー吉原良治の
「われわれはわれわれの精神が自由である証を具体的に提示したいと念願しています。」
という言葉にグループ名の由来を持ち、ひたすらに『新しい』抽象表現を志向した
芸術家集団だったようです。。

海外での評価が高い一方で日本での認知度は低く、
私もご多分に漏れず今回の展覧会まで知りませんでした。
ですが、具体の作品は今見ても『新しい』と思える作品も多くあり、
これを50年前の人々が作ったのかと思うと驚くと同時に
2012年の今の新しさとは何だろうかと考えてしまいます。
また、テレビ放送が1953年に始まり、
その翌年1954年に具体が活動を開始したことを考えると、
どれだけ時代に先行していたのかが伺えます。

展示は、インスタレーションあり、平面あり、映像ありで盛りだくさんの内容で、
みんな楽しんで鑑賞できたのではないかと思います。



展覧会場に
「これが美術であるかないか、そんなことどちらでもよさそうです。
美術の概念にあてはまらないものの方が、食欲を催すのです。」
という吉原良治の言葉があり、それがとても美学校的だなと思って印象に残りました。
なるほど、『新しい』ものはその枠の外側にあるのかもしれません。

さて、来週は今回の展覧会レビューをそれぞれ書いてきて、
あーだこーだ言い合いです。また七人七色の感想が出るでしょう。
楽しみです。